フルートの材質の特徴②
今回は銀製のフルートについて。
演奏用(これをハンドメイドという呼び方で区別することが多い)の高級品は総銀、金・プラチナといった貴金属を材料にして作られています。
大切なのは、高価な金やプラチナの楽器の方が、銀製のフルートよりグレードが高いわけではないということです。
フルートとしてのグレードは製造上の質で決まります。材料の希少価値と楽器の価値が比例するのではありません。
銀金、どちらの音色が好きかで、ぜひ選んでくださいね。
さて。
銀は金属の中で、最も光の反射率が高いため白く輝き、熱・音・電気が最も良く伝わる素材です。
硫黄分と反応して表面に黒っぽい硫化銀を作り変色してしまうので、演奏後にいくら手入れをしても変色を防ぐことはできませんが、変色はオーバーホールをするときに磨きあげれば新品状態になります。
ですが、この硫化銀は銀よりやや硬いので、黒変した銀のフルートはピカピカの物よりレスポンスが良くなります。変色はあまり気にしない方がいいかもしれませんね。
銀製フルートの特徴
銀は他の金属に比べて柔らかな音色で、音色の変化をつけやすい材質です。
明るく柔らかで音の立ち上がりも丸みを帯びた感じがします。
銀の純度
純銀は柔らかすぎるため、他の金属を僅かに混ぜて硬度を高くします。一般的にはスターリング・シルバーと呼ばれる銀の純度92.5%のものを使いますが、最近ではブリタニア・シルバー(純度95%)やさらに銀の比率を高めた素材を使用したフルートもあります。また、国産の古い楽器は純度90%で作られています。銀の比率が違うと確かに音色の違いも出てきますが、それ以上に頭部管のカットの違いもあるので、慎重に選んでくださいね。
巻き管とシームレスパイプ
19世紀には継ぎ目のないシームレスパイプを製作する技術がなかったので、当時の金属フルートは板を丸めてロー付けし、芯金に巻いて叩き(鍛造)、巻き管パイプを作っていました。20世紀に入ってシームレスパイプを製作する技術が確立したときは、均一な素材なので、音響的に圧倒的によいとされました。
現代では、一部のメーカーの懐古的な機種で、シームレスパイプより遥かに手間のかかる巻き管によるフルートを製作しています。
私も以前試奏させてもらいました。
他が同条件の場合、レスポンス・音色がやはり違います。これはかなり好みが別れるので、ぜひ吹いてみてください。
ちなみに現代フルートの99.99%以上はシームレスパイプのフルートです。
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